大腸がん検診、「内視鏡」と「便検査」どちらがいい?

大腸がん検診、「内視鏡」と「便検査」どちらがいい?

大腸がん検診では、大腸内視鏡検査と、便に混じった微量の血液を調べる**便潜血検査(FIT)**が代表的です。「結局どちらを受ければいいの?」と思う方も多いのではないでしょうか。

スペインで行われた大規模研究「COLONPREV試験」では、50~69歳を対象に、1回の大腸内視鏡検査定期的に繰り返すFITを比較しました。

10年間の大腸がん発症率は、FITで0.80%、内視鏡で**0.86%**とほぼ同等。全死亡率にも大きな差はありませんでした。一方、大腸がんによる死亡はFIT 0.072%、内視鏡0.042%と内視鏡の方が低い傾向でしたが、統計学的に明確な差とはいえませんでした。

この研究から見えてくる大切なポイントは、「どちらが絶対に優れているか」以上に、「検診をきちんと受け続けること」が重要ということです。

便潜血検査は手軽に受けられる一方、陽性になった場合には大腸内視鏡による精密検査が必要です。また、症状や家族歴などによっては、最初から内視鏡検査が適している場合もあります。

大腸がんは、早期発見だけでなく、前がん病変であるポリープを見つけて治療することで予防も期待できるがんです。**「まだ症状がないから大丈夫」ではなく、自分に合った方法で検診を続けること。**それが大腸がんから身を守る第一歩です。

東京予防クリニック 院長 安水大介
執筆・監修
/ 東京予防クリニック 院長

大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。心臓血管外科医を経て厚生労働省で医療政策立案に従事。London School of Economics・シカゴ大学公共政策大学院で医療経済を研究し、Johnson & Johnson の Head of Government Affairs & Policy を経て東京予防クリニックを開院。

最終更新日:2026.08.17

本記事は一般的な医学情報の提供を目的としたものであり、個別の診断・治療を保証するものではありません。症状のある方は医療機関にご相談ください。

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